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連鎖律の例題:合成関数の微分を手順ごとに解説

2026年10月8日3分で読めます
連鎖律の例題:合成関数の微分を手順ごとに解説

(2x+3)5(2x+3)^5を微分してみましょう。括弧の中が単なるxxであるかのように通常のべき乗の微分法則を使うと、5(2x+3)45(2x+3)^4になります。形は正しそうですが、因子の2が足りません。括弧の中の式はxxの2倍の速さで変化するため、導関数にもその変化を反映する必要があります。

この因子を掛けるのが連鎖律の要点です。この記事では、内側が一つの例から三層に入れ子になった例まで、独自の問題を順に解きます。導関数そのものの意味を先に確認したい場合は、微分の解説をお読みください。ここでは層の見分け方、微分の進め方、答えの検算に集中します。

内側の関数と外側の関数を見分ける

合成関数では、一つの関数の出力を別の関数に入力します。y=(2x+3)5y=(2x+3)^5なら、まず2x+32x+3を計算し、その結果を5乗します。内側をg(x)=2x+3g(x)=2x+3、外側をf(u)=u5f(u)=u^5と書けば、y=f(g(x))y=f(g(x))です。

値を求める順序と微分する順序は逆です。値を求めるときは内側から外側へ進みます。微分するときは外側の操作から始め、その入力を変えずに残し、最後にその入力の導関数を掛けます。OpenStaxの連鎖律の章は、微分可能な合成関数について次のように示しています。

ddxf(g(x))=f′(g(x))g′(x)\frac{d}{dx}f(g(x))=f'(g(x))g'(x)

外側の関数の導関数を評価する入力はg(x)g(x)であり、g′(x)g'(x)ではありません。内側の導関数は別の因子です。該当する点でどちらかの層が微分可能でないなら、この式をそのまま適用することはできません。

法則を使う前に層の名前を付けてみましょう。sin⁡(4x2−1)\sin(4x^2-1)では外側が正弦、内側が4x2−14x^2-1です。1+x4\sqrt{1+x^4}では外側が平方根、内側が1+x41+x^4です。x2+3xx^2+3xは式全体が和なので、各項を別々に微分します。括弧がある式すべてに連鎖律を使うわけではありません。

一つの関数の出力を別の関数に入れる考え方が初めてなら、合成関数の解説で微分前の値の求め方と定義域を確認できます。入出力の記法にまだ慣れていなければ、関数の基礎から始めてください。

毎回同じ四つの手順を使う

式が大きくなっても手順は変わりません。

  1. すぐ内側の式を置く。 h(x)=(3x2−2)4h(x)=(3x^2-2)^4なら、u=3x2−2u=3x^2-2とします。
  2. uuをそのままにして外側を微分する。 外側はu4u^4なので、導関数は4u34u^3です。
  3. 内側を微分する。 ここではdu/dx=6xdu/dx=6xです。
  4. 掛け合わせて元の式に戻す。 h′(x)=4(3x2−2)3(6x)=24x(3x2−2)3h'(x)=4(3x^2-2)^3(6x)=24x(3x^2-2)^3となります。

後の計算で必要でない限り、4乗を展開しないでください。因数分解された答えなら、4(3x2−2)34(3x^2-2)^3は外側のべき乗から、6x6xは内側の二次式から来たことが見えます。早く展開すると因子の掛け忘れに気付きにくくなります。

三層でも同じ操作を繰り返します。最も外側を微分し、次の層の導関数を掛け、さらに最も深い層の導関数を掛けます。OpenStaxも同じ章で連鎖律の反復適用を扱っています。新しい法則を覚える必要はありません。

最後まで解く三つの例題

一次式のべき乗。 p(x)=(2x+3)5p(x)=(2x+3)^5に戻ります。外側の導関数は5(2x+3)45(2x+3)^4、内側の導関数は22です。したがって、

p′(x)=5(2x+3)4(2)=10(2x+3)4p'(x)=5(2x+3)^4(2)=10(2x+3)^4

記号だけの答えを信じず、x=0x=0で確かめます。元の関数はp(0)=35=243p(0)=3^5=243です。(3+2x)5(3+2x)^5を一次の項まで展開すると243+5(34)(2x)+⋯=243+810x+⋯243+5(3^4)(2x)+\cdots=243+810x+\cdotsなので、ゼロでの傾きは810810です。求めた導関数でも10(3)4=81010(3)^4=810となります。内側の因子を忘れた式では405405となり、この検算に失敗します。

三角関数の合成。 角度をラジアンで測り、q(x)=sin⁡(4x2−1)q(x)=\sin(4x^2-1)とします。外側の正弦を微分すると、元の入力の余弦になります。内側の4x2−14x^2-1の導関数は8x8xです。

q′(x)=cos⁡(4x2−1)(8x)=8xcos⁡(4x2−1)q'(x)=\cos(4x^2-1)(8x)=8x\cos(4x^2-1)

x=0x=0では内側の導関数がゼロなので、q′(0)=0q'(0)=0です。q(x)q(x)はx2x^2に依存し、xxと−x-xで同じ値を取るため、局所的な対称性の確認にもなります。x=1x=1での傾きは8cos⁡(3)8\cos(3)であり、cos⁡(8)\cos(8)ではありません。余弦に入るのは元の内側の式で、その導関数ではありません。

三層の入れ子。 r(x)=[sin⁡(2x2+1)]3r(x)=\left[\sin(2x^2+1)\right]^3を考えます。外から順に、3乗、正弦、2x2+12x^2+1の三層です。この順に微分すると、

r′(x)=3[sin⁡(2x2+1)]2⋅cos⁡(2x2+1)⋅4x=12xsin⁡2(2x2+1)cos⁡(2x2+1).\begin{aligned} r'(x)&=3\left[\sin(2x^2+1)\right]^2 \cdot\cos(2x^2+1)\cdot 4x\\ &=12x\sin^2(2x^2+1)\cos(2x^2+1). \end{aligned}

三つの変化がつながっているため、導関数にも三つの因子があります。3乗は3sin⁡2(⋅)3\sin^2(\cdot)、正弦は余弦、二次式は4x4xを与えます。ここでもr′(0)=0r'(0)=0で、r(x)r(x)が偶関数であることと一致します。この確認だけで導関数全体を証明できるわけではありませんが、代数的な誤りの一部を素早く見付けられます。

別の微分法則も必要か判断する

まず式全体の操作を見ます。a(x)=x(2x+3)5a(x)=x(2x+3)^5では、変数を含む二つの式を掛けています。最初に積の法則を使い、べき乗になった因子に連鎖律を使います。

a′(x)=1⋅(2x+3)5+x⋅5(2x+3)4⋅2=(2x+3)5+10x(2x+3)4=(2x+3)4(12x+3).\begin{aligned} a'(x)&=1\cdot(2x+3)^5+x\cdot 5(2x+3)^4\cdot2\\ &=(2x+3)^5+10x(2x+3)^4\\ &=(2x+3)^4(12x+3). \end{aligned}

一方、b(x)=(2x+3)5b(x)=(2x+3)^5には式全体を構成する積がないため、連鎖律だけで10(2x+3)410(2x+3)^4となります。二つの式の違いは、べき乗の外側に因子xxがあることです。この因子によって最初に使う法則が変わります。

商の形でも判断が必要です。c(x)=1/(2x+3)2c(x)=1/(2x+3)^2を(2x+3)−2(2x+3)^{-2}と書き直すと、式全体の操作がべき乗だと分かります。したがって、

c′(x)=−2(2x+3)−3(2)=−4(2x+3)3,x≠−32.c'(x)=-2(2x+3)^{-3}(2)=-\frac{4}{(2x+3)^3},\qquad x\ne-\frac32.

商の法則でも解けますが、この書き換えなら合成関数の構造が明確です。分子と分母の両方がxxに依存するなら、まず商の法則を使い、それぞれの部分で連鎖律が必要か調べます。OpenStaxの連鎖律の章も、こうした法則の組み合わせを扱っています。

よくある三つの誤答を直す

内側の因子の掛け忘れ。 (5x−1)4(5x-1)^4に対する4(5x−1)34(5x-1)^3という答えには、内側の導関数55がありません。掛ける前に二つの部分を書けば、4(5x−1)3×5=20(5x−1)34(5x-1)^3\times5=20(5x-1)^3です。

外側の関数の入力を変えてしまう。 cos⁡(x2+2)\cos(x^2+2)に対する−sin⁡(2x)⋅2x-\sin(2x)\cdot2xは、内側の導関数を正弦の入力にしてしまっています。正しくは−sin⁡(x2+2)⋅2x-\sin(x^2+2)\cdot2xです。外側は元の内側の式を入力として微分し、その後で内側の導関数を掛けます。

括弧のまとまりを失う。 (x2+3)3(x^2+3)^3に対する3x2+32(2x)3x^2+3^2(2x)は連鎖律になっていません。内側の式全体を二乗の括弧内に残します。3(x2+3)2(2x)=6x(x2+3)23(x^2+3)^2(2x)=6x(x^2+3)^2です。最後の行まで内側を大きな括弧で囲みましょう。

簡単な値で元の関数と導関数を調べるのも有効です。一点での数値の一致だけではすべてのxxに対して正しいとは証明できませんが、値が合わなければ誤答をすぐに否定できます。

解答付きの練習問題三つ

解答を見る前に自分で試してください。層を示し、各層に一つずつ因子を書きます。

1. s(x)=(7−3x)4s(x)=(7-3x)^4を微分します。外側の導関数は4(7−3x)34(7-3x)^3、内側の導関数は−3-3なので、

s′(x)=4(7−3x)3(−3)=−12(7−3x)3.s'(x)=4(7-3x)^3(-3)=-12(7-3x)^3.

負号は手早い確認になります。7−3x7-3xが正である点の近くでは、xxが増えると内側の値が減り、その4乗も減ります。

2. t(x)=cos⁡(3x2+x)t(x)=\cos(3x^2+x)を微分します。外側の余弦は負の正弦に、内側の多項式は6x+16x+1になります。

t′(x)=−sin⁡(3x2+x)(6x+1).t'(x)=-\sin(3x^2+x)(6x+1).

x=0x=0ではsin⁡(0)=0\sin(0)=0なので、導関数もゼロです。ただし内側の導関数がゼロなのではありません。そこでは1です。二つの因子を分けておくと、積がゼロになる理由が分かります。

3. v(x)=(1+sin⁡x)3v(x)=(1+\sin x)^3を微分します。外側のべき乗から3(1+sin⁡x)23(1+\sin x)^2、内側の導関数からcos⁡x\cos xが得られます。

v′(x)=3(1+sin⁡x)2cos⁡x.v'(x)=3(1+\sin x)^2\cos x.

内側に正弦がありますが、式全体の操作はあくまで3乗です。外から内へ進みましょう。x=0x=0では導関数は3(1)2(1)=33(1)^2(1)=3です。

これらに慣れたら、Math Zenの微分の練習にある連鎖律のスキルに進めます。間違えた例に戻り、次の問題を解く前にどの因子を忘れたか説明してみてください。外側の操作を特定し、その入力を変えずに残し、入力の導関数を掛ける。この手順を定着させましょう。

よくある質問

連鎖律とべき乗の微分法則は同じですか?

いいえ。通常のべき乗の法則はxnx^nを微分します。連鎖律を使えば内側の式のべき乗にも適用でき、[g(x)]n[g(x)]^nの導関数はn[g(x)]n−1g′(x)n[g(x)]^{n-1}g'(x)です。g(x)=xg(x)=xなら導関数は1なので、通常のべき乗の法則になります。

平方根にも連鎖律を使えますか?

はい。1+x4\sqrt{1+x^4}を(1+x4)1/2(1+x^4)^{1/2}と書き直します。外側の導関数は12(1+x4)−1/2\tfrac12(1+x^4)^{-1/2}、内側の導関数は4x34x^3なので、結果は2x3/1+x42x^3/\sqrt{1+x^4}です。

入れ子の関数で因子が複数になるのはなぜですか?

各層はその内側の層の変化に応じて変わるからです。[sin⁡(2x2+1)]3[\sin(2x^2+1)]^3では、xxが変わると二次式が変わり、それが正弦を変え、さらに3乗した値も変えます。三つの導関数の因子は、連動した三つの変化を表します。

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